複式簿記の原理
青色申告の手引きを見ますと、『いわゆる「正規の簿記」とは、「資産、負債および資本に影響を及ぼす一切の取引を正規の募金原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づき、貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならない」との規定に基づく記帳方法を称しています」とあり、複式簿記を言いますとあります。
そこで、複式簿記とは何か?と理屈だけ最初に言いますと
取引を
1.資金調達の源泉(貸方)
2.資金の利用用途(借方)
の2面から記載する記帳方法を言います。
特徴は必ず貸方と借方の合計が一致することです。これを貸借対照表等式といいます。
ただ、この複式簿記を使うには学習が必要となります。
その時に陥りやすい罠、について次に述べます。
複式簿記学習上の注意点
私が複式簿記の学習を始めたのは25歳の時です。この時に龍谷大学経営学部政岡教授より「松井君、簿記を勉強するには25歳までやで。25歳を超えたら、頭が固くなって大人の頭になるから素直さが無くなって、簿記の勉強がでけへん」と警告を受けました。たぶん、この警告は正しいと思います。
ということで、複式簿記学習上の注意事項はいくつかあります。
それらを列挙しますと、
1.まずは簿記の理論を理解しようとはしない
一般的に大人というものは丸暗記が苦手で、自分なりの理論や理屈を使って理解しようとします。このことが悪いとは言いませんが、複式簿記の間隔は最初とっつきにくいところがあり、これを過去の経験から理解することは不可能だと思います。ですから、先生が言ったことをそのまま受け取ってください。確かに前回にご案内した通り、仕訳にはルールがありますが、学習当初はそのルールを言ってもピンと来ることはないと思います。
2.左側を借方、右側を貸方と問答無用に覚える
初学者はこの借方・貸方でつまずきます。
1.なんで借方・貸方というのだということ
2.左と右でどっちが借方
の2点で悩みます。
まず、なんで借方・貸方というのかですが、これは英語のDebit Creditをそれぞれ「借方」「貸方」と翻訳したことに由来します。観念して覚えてください
次にどちらがかりかたで、どちらがかしかたなのかについては、
「り」は左側に曲がっているので左
「し」は右側に曲がっているので右、と覚えてください。
3.必ず貸借はバランスします
複式簿記は仕訳が肝心ですが、この仕訳、借方と貸方の合計は必ず一致します。一致してなければどこかが違います。一致するように設計されているからです。
この3点を心がければ、簿記の学習も進むのではないでしょうか。