事業システム論が難しい理由(3) もしドラはあくまでAKB48の販促ツールです

国語辞典を紐解きますと制御とは「①自由勝手にふるまわせず、押さえつけて自分の思うように支配すること。②(機械・装置などを)望むとおりの運転状態にすること」(岩波国語辞典第七版新版)とあります。いずれの意味を取ろうとしても、「予想通りの結果を得る」ことであるという意味です。予想通りの結果を得るというのは、数式で表現することがほとんどです。利用者が理解できないことと使えないことは別物なのですが、数式で表現、特に関数で表現されるものがほとんどです。イメージとして、何かを入れると機械が作用して何かを出力するという感じです。自動販売機も目的とするものを出すためにお金を入れてボタンを押すという操作をすることで「制御」できています。

一時話題になった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ですが、この本自体はAKB48の販売促進ツールとして設計されています。私がそのように言っているのではなく、著者奥付ではっきりと記載されていますのですからそのような意図があったということになります。また、主人公の「みなみ」ちゃんは特定のメンバーを想定して設計されているのですが、予想に反して前田敦子が売れたという大人の事情によって前田敦子が主役になったということのようです。そのため、どうしても私にはドラッカーとカチューシャは結び付きませんが、AKB48が映画「もしドラ」の主題歌(”Everyday カチューシャ”になったかどうかはわかりません)を歌うことになることまでは出版時に予定されていました。AKB48の販促ツールですから、AKB48メンバーを映画に出演させ、歌を歌うことは意図された結果です。

もし、意図しなかった結果があるとすれば、ドラッカーの『マネジメント(エッセンシャル版)』をダイヤモンド社が売ったことでしょう。作者が「ドラッカー」に関心を持ったということでドラッカーを選んだようですが、私のような人間では『マネジメント―課題、責任、実践』(これが同書のタイトルです)から、女子マネージャーを結び付けることができませんので、それだけでも岩崎夏海さんはぶっ飛んでいると思います。それ以上にぶっ飛んでいたのは、AKB48とドラッカーを結び付けた書物を出版したダイヤモンド社でしょうが、意図してこのような結果になったのかどうかは不明です。

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